カワサキ KZ1000R エディ・ローソン (レプリカ) 1/8 エレール改
こいつも格好いい 
XR750のスクラッチ作業に飽き飽きしましたので 
次作は絶対に素組みで格好良く見える奴を作ろうと心に決めていました。
そして発見したのがこのカワサキ KZ1000 エディ・ローソン21。
こいつならエレールのキットから出来るんじゃないかと甘く考えました。
なにしろキャスト・ホイールですからスポーク張りの手間もない。
オールドルックスと謳いながらキャスト・ホイールはないんじゃないの 
という非難の声も一部から聞かれそうですがそんな声には知らん顔。
82年といえば20年以上も昔のことですから 
エエもう当然オールドルックスでございますよ。
R1でなくRなのに
レプリカというのは可笑しいなどと 
Kawasaki 熱烈ファンから怒られそうですが実は訳があります。
それは前輪が19吋しか手に入らず、本物のエディ車にはならないためです。
タイヤにはいつも泣かされますねえ。
これもまたキットはない(と思います)
これも相当有名なレーサーですからキットがあってもよさそうなんですが、ありません。
(・・・と思います。断言する自信はありませんが・・・・)
そこでエレールのカワサキ・シリーズからゴディエ・ジェヌーを選び改造することにしました。
これはこれで貴重なキットなんですがどうも好きになれませんので、使ってしまいましょう。
エレールのカワサキは全てJ以前の初期型エンジンのバリエーションですから難関はエンジン
を後期型に似せられるかどうかですね。
それとスーパーバイクはスリック・タイヤを使用していますので、ロードタイプのタイヤを前後
ともスリックにするのが厄介です。ああ、ハリーが手伝ってくれたらなあ。(いやこれは独り言)
それにしても1/8空冷4発はでかいですから、出来上がったら相当迫力はあるでしょうねえ。

最初の製作過程  2004年6月20日
まずは資料収集 
まずは過去出ていた本を資料として集めます。
あるわあるわ。
ご本家BIKERS STATIONからRIDERS CLUB。
別冊モーターサイクリストだけは 
見当たりませんでしたが 
Road Rider なんて日頃見たこともいない雑誌や 
果てはKawasakiマガジンまで手に入るだけ 
手に入れちゃう。
こんなに特集が沢山あったということは 
人気あったんですね。
さまざま写真やら記事やら見ていると、
どうもエレールのカワサキから簡単に改造できる 
という甘い考えは 
脆くも打ち砕かれました。
こりゃ大変だわ。
ホイル
本物はモーリス社製のゴールド7本キャストということ
なんですが、レプリカも同じようなホイル履いてますし、
エディのレース写真にはENKEIなんてステッカー貼ってある。
まさかエンケイじゃねえだろうと思いつつも疑問です。
ま、仕上がりは似たようなもんですが。ちょっと気になるじゃないの。
しかし前輪19吋はどうにもならないねえ。
あの前下がりの迫力は出そうもない。
マグ・キャスト風仕上げ 
Mr.Colorのラッカーの金をベタベタ塗って 
エナメルでそれらしく汚して 
空気入れのバルブ付ければ、ちょいちょいと完成だわ。
まあいつものスポーク張り替えに比べて簡単で早いこと。
クラシック・バイク・キットが人気のないのも 
タミヤが現用レーサーばかり作る理由も 
このスポーク処理がいらないということなんでしょうねえ。
私も現用車に乗り換えようかしら。
スリック・タイヤ加工
普通の溝付タイヤを何とかスリックにしなきゃいけないので、今回の加工に使ったのはロックタイトの耐衝撃用瞬間接着剤。
これ真っ黒なんですね。こいつを溝に流し込んで盛り上げて、固まってからやすりで削りだす。
もう相当な硬度ですから金属ヤスリでシコシコ削ると下のゴムと密着して、なかなか良い感じの使用後のスリックぐらいには見えます。
これも前輪は細すぎてレース用スリックの感じが出ないのは困るねえ。仕上がりでがっかりしそうだなあ。
フレームの改造
フレームに関してはBIKERS STATION 2004年
3月号 No.198号に前期型から最終期までの変化が
詳しく載っていて役に立ちます。
逆にいえばこんな情報を見て知っている人が沢山いる
ってことですよね。
だから誤魔化せないってことです。
エレールのフレームは中期型Z1000のようですが
このKZは後期Z1000Jのフレームがベースで、
ヘッド周りのチューブの取り回しが全然別物。
補強も相当入っています。
そんなことでプラ丸棒を切ったり貼ったりして
フレーム改造しました。
リア・スイング・アーム 
ローソン車や市販レーサーS1と、いわゆるレプリカR1、R2の 
最も大きな外観上の差はスイング・アームでしょう。
レプリカが市販車そのままなのに対してローソン車は 
見るからに頑丈そうなトラス構造のごついスイングアームを 
付けています。
しかも白塗りされ、エキセントリック・カラーのチェーン・アジャスターや 
基部のオイルキャッチ・タンクが目立つポイントです。
これはスクラッチで作る以外にありません。
空冷フィンの削り込み。
エンジンも初期のZではなく後期型のJタイプを
使用しています。
見た目ではさほど変化がないようですが、どうして
結構変わっています。一言で言えば丸みを帯びた
Zタイプに対し、J型は角張っているんです。
この写真はそれを表現するためにフィンとシリンダー
を削り込んだところ。
中央上の2つの金属が削り込みようの治具。
それにしても複雑なエンジンです。
これを図面引いて自作するのはまず無理ですね。
さすがエレール。偉いぞ。
エンジンの改造
エンジン左側、ACGのカバーを外した剥き出し
のブロックはローソン車の特徴です。
第2回目の製作過程  2004年7月28日
今年の夏は異常な暑さですね!
またもや報告が遅れ遅れてこんな時期になってしまいました。どうにも暑くて模型に立ち向かう気力が失せてますな。
それに、
もっと簡単に作るつもりでいたものが、パーツを見て資料を見ると どうにもそのまま作る気になれず、どうでもいいような
パーツにまで拘ってしまうという悪い癖が出ておりまして、一向に前に進まない。
そんなことで今回はエンジン拘り編をお送りしましょう。

クラッチカバーとカムカバーエンドのキャスト
前期型エンジンと後期J型エンジンの違いはいろいろありますが
クラッチカバー・プレートもその一つ。
普通は黒塗りされているんですがレース・シーンではアルミダイキャスト
地肌のままのものがありますのでそれを再現します。
原型を作り「型取り君」とかいう熱可塑性の樹脂で雌型を取り、お馴染の
デブコンを流し込みます。
デブコンは磨いても明るさがなくアルミの感じは出ませんが、プラよりも
メタル感はありますのでまあよしとしましょう。

全く同じ方法でカムカバーエンドをキャストします。
この角張ったプレートも、半丸を重ねたような前期のカムカバーと違った
後期の特徴です。
カムチェーンカバーを
修正

こんなとこまで見えや
しないからいいんだよ。
と思いながら、
いつの間
にかパテ盛りしている
私です。
ホントバカだね。
ヘキサゴン・ナットを埋める
エンジンケース下部はヘキサゴン・ナットだらけです。
全てのモールドを削り取り、穴空けして1.2mmと
1.4mmのパイプで埋めていきます。
何十本あるのかねえ、嫌になりますねえ。
キャブを組み立てる
キャブはうまいことにCR風ですのでそのまま
組みスロットルやリフターなどを4連加工します。
ファンネルは旋盤で挽き出しましたが4つ同じ
ものを作るのは、雑な私には至難の技でしたよ。
エンジン上部の組み立て
作る前には気がつきませんでしたが、KZはダブルイグニッションなんですね。
なんと点火プラグとコードは8本も必要でした。
ヘッドのフィンを削って+4個の穴空けもする訳です。
エンジンの仮組み 
今まで作ったパーツをくっつけて 
一応エンジン部の完成形を見てみます。
さすがに黒塗りの空冷並列4気筒は迫力がありますねえ。
まずまず、満足いくレベルに仕上がったといっていいでしょう。
しかし前途は多難です。
例の有名なKERKERの集合マフラーを作らないといけません。
こいつはエクゾースト・パイプ部分から曲げ角度が 
キットのものとは全然違いますので難題です。
それにオイルクーラーもありますし、頭の痛いことです。

*ところでSHOGOさん。
「今度は金属を使わずプラで作ることに挑戦」なんて 
大嘘をついてしまいました。
気がつけば金属加工のオンパレード。
折角送ってもらった6角プラロッドの登場する場がありません。
ごめんなさい。
第3回目の製作過程  2004年8月17日
リア・ショックを作る 
どういう作動をするのかよく分かりませんが 
リザーバー・タンク付きのワークス・パフォーマンス製のリア・サスは 
金色に赤青の二重コイルとやけに派手で 
上手く出来ればよいアクセントです。
赤青コイル候補は東急ハンズ渋谷店の素材コーナーで見つけた 
色付きプラ・コイル。
外径6mmとちょっと細いのですが贅沢はいえませんから 
これで作りましょう。
コイルが上手く収まるようにアルミ丸棒を旋盤加工してボディを作ります。
空冷フィンのついた別体リザーバー・タンクも挽き出します。
組み立て、金色を塗り、コイルを嵌め込んで完成です。
Fブラケットの自作 
エディの乗ったレーサーのトップブリッジはS1やRレプリカと違い 
殆どオフセットのないアルミ削り出しの迫力あるもの。
これをなんとか自作しようと 
アルミ1mm板をL字アングルにしてから穴空けし 
上下組み合わせてそれらしく作ります。
プラ・パーツのボトム・ケースとアルミ5mmパイプを 
一削りしたインナーチューブとを組み合わせてなんとなく形になりました。
SHOGOさんからのプレゼント 
不老隊の?SHOGOさんからプラの六角棒をプレゼントして貰いました。
XR750の金属加工に嫌気がさしていた時期でしたので
「今度のKZは全部プラで作ってやる」なんて宣言していたのを
ちゃんと覚えてくれていて「ナットに使って下さい」とわざわざ贈ってくれました。
ところが私は前言をすっかり忘れて、またメタル類を多用しておりまして、
この折角のプレゼントが活きない! 
これはいかんとドライブ・スプロケットのボルト留めナットに2mmの六角棒を
使わせて貰いました。
写真左がそのプレゼントの六角棒。
ちゃんとサイズを書いたテープで留めてくれています。
親切で几帳面な性格が分かりますねえ。
持つべきものは友達です。SHOGOさん有難う。
ディスクブレーキの工作 
34cmというこのバカでかいフロント・ディスク・
ローターは勿論キットには入っていません。
これも見せ場の一つですから、嫌がらずに図面を引き
1mm厚のアルミ板を切り出しましょう。
それからもう何個か数えきれないほど穴空けし、
ノコギリでスリットを切ります。
ここまでで相当疲れます。
黒染液でグレーに染めてから、
ヘキサゴン・ナット代わりの1.2mmのパイプを12個
埋め込みドリルチャックに咥えて回転跡をつけ(旋盤は
回転が早すぎて向きません)、鋳鉄らしく錆びさせて、
やっと完成です。
ホイールに取り付けます。やれやれ。
Rスイングアームの完成 
組み立ててあったリアのスイング・アームに 
シルバーを吹いてアルミらしく仕上げます。
オイル・Lャッチのパイプコネクターを2本埋め込bン
エキセントリック・カラーを嵌め込んで完成です。
先程のワークス・パフォーマンス製リアショックと合わせて 
仮組みしてみます。
特徴のあるトラス構造のリアサスペンションは 
雰囲気がなかなか良く出ていますが 
こういった自作部品の現物合わせではきちんとした 
水平がでるかどうか、この時点では判りません。
フレームの仮組み
途中のお楽しみは仮組みです。
完成した部品を取り付け完成形を
想像しながら問題があるかどうか
確認します。
大きな問題点が発見されると
後戻りになりますからがっかり
ですが、上手く行っているときは
ひとりでに顔がほころびます。

今回はさてどうでしょうか?
それほど大問題はなさそうですが
これからまだまだ作らなくては
いけない部品が山ほどあります
のであまり嬉しい気分とはいき
ませんね。

では今回はここまで。
第4回目の製作過程  2004年9月21日
MAD シンドローム
もうとにかく部品作りに時間ばかりかかっています。当初は素組みに近いやり方で簡単に、なんて思っていたのにとんでもない泥沼状態。
一体どうしちゃったんだろうと自分でも不思議なほど手がかかっていますよ。
これはひょっとして世に言うマッド病-杉田症候群に感染したのかもしれません。うーん困ったな。
まあそれはともかく、今回はその細かいパーツ作りを細々ご報告しましょう。

チェーンの諸問題
このキットにはプラスチック一体型のチェーンが入っているんだけど
1/8の一体成形はそのままでは大味過ぎてとても使えない。
そこで、昔のジャンクからコンバートしてきたのが、HELLERの軟質
プラスチックのチェーン。
これは中々優れ物なんだがなんと長さが足りない。
困った時のプロター頼みで、ついにプロターの組み立て式チェーンを
使うことにしましたよ。
(上:Heller 中:キット 下:PROTAR)

モノが大きいことと、プラスチック・チェーンの脆弱さからチェーンの
回転は潔く諦めて、固定式として一齣一齣組み立てていきましょうね。
外側の齣は真鍮エッチングを使ったので、結構実感あり。
それにしても1/8で丁度いい感じなんだから1/9では相当大きいチェーン
だよね。

チェーンの組み上がり
ホイルベースが長いため、エンジンと自作スイングアームを載せて固定化
しないとチェーンの長さが決められません。
嗚呼、現物合せの極致ですな。
しかもチェーンはスイング・アームの一本と交差するため、二度と
取り外せない。
後でやり直しなんてことにならないよう祈るばかりです。
ブレーキ・キャリパーを作る
ロッキード社製の2ポッド・キャリパーCP3696も大きな見せ場ですよ。ローソン車のキャリパーやブラケットは年式やレースの度に
いくつも変化しているようですが、やはり一番目立つのは特徴的なロッキード社製でしょう。
ここではS1に使われたタイプを採用して自作にかかるとしましょう。自分で引いた図面を1.2mm厚プラ板に貼り付け片側3枚を切り出す。
真ん中の板をディスクプレートの円周に合わせて切り込み、3枚を合体。パッドやオイルラインなどの出っ張りをアルミ丸棒や
パイプをくっつけてそれらしく形に仕上げる。私の作り方は「それらしく」ばっかりです。(笑) この同じものを2個作るんだよ。
調整・組み上げ・塗装
さてこれをフロントフォークのボトムケースに組んで上手くディスクが
嵌まってくれるかが大問題。なにせ2個が平行に並んで、しかもスリットが
ディスク・プレートに干渉せずに噛み合ってくれないといけません。
まさに難航苦行。自作部品同士の組み上げはこれが泣き所なんですね。
調整を繰り返して出来上がったら塗装にかかる。
ゴールドと艶消し黒を適当に混ぜ合わせ、マグネシュームっぽい色に塗装。
このあたりは写真を見ながらまさに「それらしく」。
真鍮極細線を撚り線にしてワイアリングを施す。1/8ぐらいの大きさの
レーサーでは、ワイアリングも大切なポイントになりますからね。
リア・ディスクブレーキも作る
リアは後輪軸からのブラケットとスイングアームに付くスタビライザーが
余計な作業になりますが、片側だけなんでまだ楽ですよ。
マフラーの自作
マフラーは4-1の集合タイプ。
外側2気筒が上、中央2気筒が下に集合し、
バンク角を取るためエンジン真下で合体という 
80年代から流行った典型スタイル。
キットのパーツは左右2本の集合で、
排気管の角度も長さも全然違うので 
仕方なく自作に突入します。
アルミ5mm丸棒を曲げてこの4本のマフラーを 
同じに作るのは容易ではないんで、
この際アルミは諦めてプラ棒を使います。
仕上がりが耐熱塗装ブラックだから黒く塗ればOK 
なのも助かりです。
メッキ仕上げだったらプラは使えませんから。
マフラーの曲げる角度を図面に引き、
手近にあったバルサ板に貼り付けて切り出します。
木口はやすりと木工ボンドで綺麗に処理してね。
5mmのプラスチック丸棒だと流石にライターでは上手く暖められないので、
ローソクを使いましょう。
曲げる個所を充分に熱して、木型に押し当ててハイ完成。
実に簡単でいいね。
集合管
集合管もパーツにはないので、でっち上げ。
同じ5mmの丸棒を4つ集めて整形。
タミヤの8mm透明パイプに繋ぎます。
パテを盛って形を修正。
形の完成
KERKERのマフラー本体はキットのパーツを利用しました。両面を貼りあわせて、KERKERの長さと太さに切り刻み角度を合わせて接着。
集合管と接続すると・・・。おお、中々いい感じじゃないですか。
マフラーは単なるメガフォンでなく、消音機能が付いていますからセンター部を2重管にしてそれらしくね。
エクゾーストのマニホールドをアルミ板から作って固定のためのコイルを各排気管2本計8本で留める。
エンジン廻りのメカメカっぽさが増してきた、とはいえ本当に空冷4発レーサーは細かい部品だらけで面倒くさいわ。
このマフラーのパーツ点数だけでエクゾースト4本、集合管1個、接続パイプ1本、マフラー1本、2重管1個、マニフォールド4枚、ビス8本、
スプリング8個=28点ですもの。あと吊り下げブラケットとカーカーのエンブレムがいるから丁度30点。それぞれに加工が必要なんですよ。
キットにならない訳が分かるよね。
ダミーのヘッドライト・ケーシングとステー
夏休み工作はまだまだ続きますよ。
このスーパーバイクの規則では、ダミーでもヘッドライトやテールライトは
市販車同様に付いていなければいけない。
81〜82年のローソン車のヘッドライト形状はカウル状態と中身のケーシング
だけの2通りあるけど、工作が楽な点で私は当然ケーシングだけを選びます。
黒くて引き締まって見えるのも理由だけれどね。
それがこのプラ板の工作だよ。ケーシングはガソリン・タンクからのブリーザー
パイプ受けになっていたり、21番のナンバープレートの受台になっていたりする
ので、適当に穴空けなどもします。
ブラケットはフォーク上部からケーシングを支えている部品。
アルミ0.5mm板に軽め穴を空けプレスラインを施してそれらしく。
インスト・パネルとメーター
こいつを取り付けておかないと後の作業が難しそうだから、
先にメーターパネル作り。
例によって図面を引いてアルミ板から切り出し。
レーサーだからタコや油温計があればいいはずなんですが、スピードメーター
は付けておかなければいけない規則。
そんな訳で左(右につけた資料もある)は市販車のスピードメーター。
勿論結線されていませんのでダミー。こいつはキットから切り取って流用。
右は日本計器製のKAWASAKIロゴ入りタコ。
こいつは一回りサイズが小さいのでアルミ棒の挽き出しで作りました。

メーター
盤面はまたもやパソコンで描き起し。
小さな写真を目を凝らして見ながら相当精密に描き起しますが、
実寸で印刷すると細かいところは潰れてよく見えない。(笑)
アルブスは勿論、会社の高性能レーザー出力機を使っても印刷限界だなあ。
まあそれでもキットのデカールと比較すればかなりの精度だから 
よしとしましょうかね。
オイル・クーラー
オイル・クーラーはメーカーは分からないがEARL'S風の12段モノ。
コアを7mm、リブを3mmのアルミ板を積層して作る。コアはフィンに見えるように刻みを入れてそれらしく。
左右のボックス状のものを作って接着。フレームに固定するための上下のブラケットも作ります。
MODELER'Sから販売されているプラスチックのジョイント金具を接着。押さえのゴムバンドらしくビニールテープで巻く。
フレームに固定し、クランクケースから来るオイルホースにジョイントすれば完成。
仮組み・本組み 
いろんな部品を 
作ってきましたが、
この辺りで組み上げて見ます。

自作部品が多い場合は基準に 
なる部品も手作りだから、
各段階で固定化しつつ、
次の部品を自作する基準に 
していかないといけません。

説明が分かりにくいですが 
この状態は仮組みのような 
本組みの状態ということ。
つまり次の部品に進める状態で 
あれば固定化するし、
そうでなければまた分解して 
この段階で修正する。
ということです。

バランス 
当初から問題の
前輪の大きさを除けば、
全体のバランスはよさそうです
から次のステップに進めそうです。

次回からはいよいよ外装部品、
タンク・シート・リアカウル等の
自作にかかります。

シートは上手くすると他のキット
から流用できるかもしれませんが
タンクは完全にスクラッチです。

ではまた暫くお時間を頂戴します。

次回は最終報告としたいものです。
第5回目の製作過程  2004年11月11日
前回からあっという間に1ヶ月以上経ってしまいましたが、進み方は遅々として未だに完成は見えません。
今回も細かいパーツやら大部品やらの工程をご報告します。
ステップとペダル 
ローソン実車はレース毎にいろいろな
ペダルを使っていたようです。
ここでは資料に見られる代表的なブレーキ
とギアを作ってみました。
ブレーキはS1にも見られるアルミ削りだし
のもの。結構ごついブラケットです。
ステップはレーサーらしからぬ市販車の
ゴムステップを流用しています。
チェンジ・ペダルは(恐らく)鉄パイプの
加工品です。
全くの手作り風ですね。
ガソリン・タンク
巨大なタンクはカワサキカラーと相まってEローソン 
モデルの特徴です。
前後左右のバランスを見ながら、
主に1.2mmプラ板で建て込み工作していきます。
四角のようで結構丸みがあり複雑な形状に苦労しますが 
これがローソン車風に見えなければ何をやっても無駄ですから 
写真をよく見て修正しながら進めます。
シートとテール・フィン
テール・フィンをタンク同様にプラ板工作します。
それに合わせてシートを他のキットから似たものを探し流用。
上面だけを切り取ってカーブを合わせます。
側面はプラ板で新たに作ります。
タンクからテール・フィンまで繋げてみますと1/8とはいえ
流石に巨大だわ。
シートの革貼り 
このシートはビニール・レザー(擬革) 
貼りですが、貼る適当な素材が 
見当たらない。
塗装仕上で誤魔化そうかと思いましたが、
シート上面のシボと新造した側面の 
平滑なプラ板では質感が違いすぎて 
うまく表現できそうにないです。
結局革(0.3mm羊皮)を張ってその上から 
ビニール風塗装を施すことにしました。
上はその革を貼るための準備段階でシートを一段置きに切り取って
います。こういったアンコ入りシートは繋がったまま革を貼ると、
ミシン目がのっぺりして、いかにも玩具臭くなりますからね。
そうやって貼り込んだ革のシートを半艶消し黒で結構分厚く 
吹きつけます。完全に乾いてから布でから拭きすると、凸部に 
艶が出てあらいい感じ。均一なビニール風に仕上がりますよ。
フェンダーも工作だ
キットのフェンダーも使えませんので、結局新たに
作ることになりました。
これは1.2mmと0.5mmプラ板です。
タイヤに合わせたカーブを保ちながら斜め面を貼り、
最後に側面を貼っていきます。
こんな単純なフェンダーでも5枚の張り合わせですから
面倒くさいよね。
後はフロントフォークボトムの止め穴に合わせて
アルミでブラケットを作ります。
塗装準備が整った
サイドカバーはキットのものを
修正してそれらしい形に作ります。
これであの特徴的なカワサキ・グリーン
に塗る準備ができました。
いつも使っているMr.Colorのラッカーで
探しましたがルマン・グリーンなんて
色しかありません。
あまりにもどぎついので、ホワイトと黒を
ぶち込んで彩度を落とします。
いやこのあたりはまるで適当適当。

塗り上がり
青蛙のような凄い色に塗り上がりました。

このカワサキ・グリーンのオリジナルは
実は山手線の電車に塗られている色そのもの
だったという話しを聴いたことがあります。
川崎重工の明石にはバイク工場の隣に電車
工場があるそうで、H1で世界参戦する時に
ホンダ・ヤマハ・スズキと違うカラーにする
必要があり、誰かが「グリーンはどうだ?」と、
隣で山手線用の塗料をバケツ1杯借りてきて
ブワッと吹いちゃったというんですねえ。
これが欧米で名を馳せたグリーンモンスター
の発祥だったとすると相当面白い話です。
いや真偽のほどは分かりませんがね。(笑)
デカールを作る 
21です 21。
21のゼッケンがなければエディ・ローソンにはなりませんから21はそっくりトレースして作ります。
その他今のレーサーとは比較になりませんが有名なKERKERやKal GardやらChampionやら 
結構沢山あります。勿論Kawasakiロゴも作ります。
タンクとテール・フィンの白青ストライプも塗装でなくデカール貼りとします。
塗り分けも面倒ですし、実車もステッカーですから。
作図は例によってMacのイラストレータ。出力はアルプスMD5500。
最近アルプスが不調で困ってます。
ハンドル廻り
最後に残った大物?ハンドルです。
バーは2.74mmニューム管製。
ブレーキレバーはキットのものにフィンガー・グリップをパテで
盛り上げてやります。これは黒塗装。
クラッチレバーはアルミの無塗装のもの。
この左右違うレバーは81年のデイトナ出走時の写真で発見しました。
ちょいと面白いアクセントになりそうなので再現してやりましょう。
この他2本出しアクセルドラムやブレーキフールドタンクがあり
ませんので新たに作ります。
そんな感じでハンドルの完成です。ハンドル・ブラケットは以前お見せしたハイメタル・インゴットを削りだしたもの。
バーは適当に手曲げしましたので左右が微妙に違うようですが、これもご愛嬌です。
エディはこんな感じでメーターを見ていたんだろうなあと、ちょいと感傷的になりますね。
タンクバッヂ
普通レーサーのメーカー・ロゴはステッカー貼りですがスーパーバイクのように市販車
ベースだと市販車そのもののタンクマークを使用してますな。
そんなことでKawasaki バッヂの台をアルミ板を削りだして作った写真がこれ。
1/8にもなるとタンク・マークなども全体の見え方に相当影響しますからねえ。

さて後残ったパーツはステアリング・ダンパー、ブレーキライト、
ゼッケンプレート位までやっとこぎ着けました。
後は自作デカールを貼り組み上げて完成です。アップまでもう暫くお待ち下さい。

完成直前追加画像 2004年11月11日
完成直前です 
スタンドを作り 
知恵の輪のようなステアリングダンパーを 
あれこれパイプを組み合わせて作り 
ゼッケンプレートを作り 
ジャンクからコンバートした 
ブレーキライトを加工し、デカールを貼り 
何度も仕上げに失敗し 
再三再度やり直してようやく完成一歩手前 
まで漕ぎ着けました。
感想としては「ああくたびれた」というのが 
本音です。
ストリップ 
カワサキは始めて作り
ました。
KZ1000Rはストリップ
状態でもなかなか格好
いいなあと思います。
レプリカが人気があるのも
よくわかります。

空冷4発重量級エンジンが
剥き出しになった力強い
レーサー・イメージは
この時代で終ったので
しょうね。
全くカウルに隠れ、
カウルを取っても
フレームの奥に電子
補機類に囲まれて
ひっそりと目立たなく
なっている今のエンジン
では製作意欲もなにも
起こりません。
今回大変だったのは
こんなに人気がある
実車が良く知られている
レーサーですから
実車を良く知っている
皆さんに見て戴いても
恥ずかしくないものを
作ろうと思ってしまった
ことでした。

そのために出来るかぎり
資料を見て、嘘のない
「それらしい」仕上がり
を目指したため
えらく手間がかかり
何度もやり直し作り直し
を強いられました。

結果として、どうしても
再現できない部分を除き
自分としてはまあ満足の
行く出来上がりには
なったかな、と思っています。

残念なのは、ある特定の
レースに出た実車として
特定できない、いわゆる
フルーツポンチ(寄せ集め)
であることですが、
これはお許しいただく
以外にありません。
2004年11月26日完成済み
Garage1に収納しました。