B.S.A C15 スター
実車について:
B.S.A.は戦前戦後を通じて英国を代表したモーターサイクル・メーカーで
Birmingham Small Armsの略号で分かる通り、その本業は歴史を18世紀に遡る小火器メーカー。

3本の小銃を組み合わせたマークがそれを表しています。
70年代に終焉を迎えるまで DBD Goldstarなど数多くの名車を生み出して来ました。

B.S.A.の大まかなエンジン分類は大排気量(500〜650CC)のAシリーズ、350CCのBシリーズ、
ミドルクラス(250cc)のCシリーズ、それ以下のスモール・クラス(175CC以下)のDシリーズに分かれています。
Cシリーズは1938年に始まりましたが
その中で最も成功したのが 1958年発表から67年まで9年間も生産されたこのC15スターです。
ユニット(ミッション一体型)系シングルのOHVエンジンは247ccで15HP/7,000RPMと当時としては高性能で
後期には23HPまでチューンアップされたモデルも登場。
また343ccまでボアアップされB40エンジンにもなりました。
このエンジンをコンパクトでシンプルな車体に搭載し、車重127kgと軽量に仕上がっています。
そのためレーサーやスクランブラーなどスポーツモデルのバリエーションも数多く登場しました。
一方通勤や配達用や警察用などビジネス実用車としても幅広く使用されました。
特に当時の英国車としては大変スマートなスタイルは大いに好評を博したそうです。

発売当時のタンク形状はタンク・バッヂ上のプレスラインが特徴で、Eyebrow(眉毛)と呼ばれ、
車体色は赤と緑の2種類という派手さです。
後に、タンクの形状変更とともに青や黒のカラーバージョンも加わりました。
SS80などスポーツモデルには、タンクサイドをクロームパネルにしたものが多く見られます。



製作にあたって:
今回は気楽に作るということをテーマに、デッサンのしっかりしたキットを選んで作りました。
1ヶ月もあれば完成するだろうと思っていましたが、
作り出すと細部が気になり過ぎるのはいつもと同じでした。
フレームやタンクの形状などほとんど問題のないキットでしたが、タイヤが肉厚で大きすぎます。
サイズが合いそうなものを探してつけることにし
タイヤ幅に合わせてフェンダーやオイルタンク幅を調整しバランスをとりました。
今回は眉タンクに青一色というパターンで製作し、アクセントとしてシートを2色にしてみました。

少々華奢な感じになり英国の実用車の雰囲気ではありませんが
エキパイの後部を上向きにして軽快さを強調してみました。

製作上、特別な工夫を凝らしてはいませんが
リム、ライトハウス、サイレンサーの製作など旋盤の使用には随分と慣れてきました。
拘らないで作るはずでしたが
ハンドル周りは全て自作し、チェーンアジャスターやフューエルコックも結局作り込んでしまいました。
それでも2ヶ月程度で完成できましたので
やっと自分なりの製作方法が定まってきたと
いう感じがします。


Vincent in Progress
キットについて: 
このAIRFIXキットもオーナーからの戴きものです。
人から譲っていただいたものを作るとどうしてもいい加減には作れません。
以前に作った同じAIRFIXのアリエルと比べると 
デッサンも細部の再現も相当しっかりしたものでした。
6角ボルトのモールドなども削りとってしまうのが惜しかったのですが 
製作方法としてのボルト留めが定着してしまったので仕方ありません。
キット唯一の難点は、タイヤが太すぎることでしょうか。
しかし、このような車種がキット化されていたことは本当に驚きですし 
感謝の念に絶えません。

Mad Sugita
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