ヤマハYDS1クラブマン・レーサー  キット:グンゼ産業 1/12
最初の製作報告   2002年4月17日
今回は短期間で作るって? 本当か?
1/48のBMWにデカールを上手く貼る方法を模索している間に、オーナーの
RD-56の完成品に刺激され、ヤマハのレーサーを作ってみたくなりました。
物欲しげに見ていたからでしょうか? オーナーが「これ作ってみるか?」と
グンゼのYDS-1クラブマンをプレゼントしてくれました。
いつもあまりにも製作に時間がかかっているので今回は「短期間で作る!」と
いうことで挑戦しますが、どうなることでしょう?

Sugita氏も私もですが、とにかく作るのが遅い。彼は作りかけばかりが沢山
あります。「2週間で作る」、「いやせめて1ヶ月」でなんて話になって、この
キットを渡したのが3月始め。早や1ヶ月半経過していますがまだこんな状態。
やっぱり彼にも私にも、1ヶ月製作はとても無理のようです。
修正個所
このグンゼのYDSは前から作ってみたいと思っていましたがどの完成品や写真を見ても何かが違う… と思っていました。
実車写真と比べてみて(1)メインフレームが下方に短すぎる (2)タンク形状の凹み具合(ハンドルに当たらない部分の窪みとエラの
張り具合が物足りない、(3)エンジンのシリンダー部分が高すぎ、横広がりのエンジンの雰囲気が出ていない、という3ポイントを
修正するとそれなりによい雰囲気になるのではないかと思いました。
エンジンの修正
まずはエンジンからです。
シリンダーの高さが決まらないとフレームの修正もできない
からです。
グンゼのこのキットはエッチングパーツでフィンを1枚1枚
重ねていけばよいのですが、隙間部分の幅が広すぎるので、
それを半分の厚さぐらいまで削りました。(左)
さらにバランスをとるためにエッチング・パーツのエッジも
薄くします。相当硬いものですから、かなり荒い鉄ヤスリで
ガシガシ削りました。ただ、エッジを綺麗に揃えるのは難し
かったです。
エンジン下部にフレームにマウントするためのボルトを留め
る穴を真鍮パイプで追加してあります。(下左) 
また、エアクリーナーがキットのままでは大きすぎますし、
実車のレース写真を見ても、クリーナーは付いていませんので
これはなくてもよいかと省略。エア・ファンネルにしました。
(下右)
タンクの修正
タンクの修正は、今回初の試みでパテを使ってみました。
まずはキットの裏側にパテを盛り、
表から窪みの部分をザックリと削ります。
そこに新たにパテを盛り付けながら、窪み部分を作り、
同時にエラが張るように盛り付けます。(上左・中)
逆にタンク上部の両サイドは削りおとして、
なめらかなラインがでるようにしました。
またタンク幅自体が少々狭いので、
今度は半分に切って、間にプラ板を付け加えます。(上右)
更にタンク前部にほんの少しだけかしめのフィンをつけました。
実車は本当にちょっとしたフィンがあるだけですが。(右)
フレームの修正
エンジンの高さが大体決定され、タンクの形状が決まった
段階で、フレーム製作に入りました。
左の写真のように切断し、洋白線を真ん中に通して継ぎ足し
ます(下左)。
ほんの2〜3mm 高さが変わるだけで、全体の雰囲気は変わ
るようです。
長さを変更した以外には、エンジンマウント部分のステーを
真鍮板で、 ステップを真鍮パイプで作り、それらを支える
ステーの形状も変更しました。
また、タンクをボルト留めする部分にも真鍮パイプを入れて
あります。(下右)
最終工程まえの仮組み
フレームがだいたいできたところで、再度仮組みして(ホイールタイヤは他のキットから流用) バランスをとり、またそれに
合うようにシートの形状も変更しました。(下左)
右写真は、各部の垂直、水平を確認しているところです。
一番下の写真は、完成したタンクとシートをのせて、さてこれから一気にタイヤ以外を組む予定でいるところです。
Sugita wrote:
お疲れ様でした
こんなにあちこち修正を繰り返して、丁寧に
丁寧に作っている様子がよく判ります。
これではそりゃ時間は掛かりますね。
2週間どころか2ヶ月以上はかかるでしょう。

ところで、私はグンゼ(いまGSIクレオスとか
いうらしい) 作ったことがありませんが、結構
デッサンは正確だと思ってました。
それがこんなに修正個所があるんじゃ、ますます
作る気がしなくなりますね。

あんなに沢山買わなきゃよかった。
Kim's House Garage Owner

第2回目の製作報告   2002年4月23日
メッキの処理
YDSのその後ですが、メッキ部分にはスモークにつや消しを混ぜて吹き、さらにスモークでコーティングしてみました。
CR110の時はスモークを吹いただけでしたので、照りが抑えられませんでしたが今回はまぁまぁです。
つや消しを混ぜる量を調整すれば、いろいろと使えるかもしれませんが、矢張りアルミ箔貼りがベストのようです。
スポーク張り
今回は、スポーク張りの様子を報告します。
オーナー方式で、ハブに虫ピンの頭が通る穴を
あけてやってみましたところ、リム側の接着も
楽になり綺麗にできました。
(治具がちょっとおそまつですね…)
ただハブ側は、スポークを張る前まではよかった
のですが、瞬間接着剤で虫ピンの頭をとめたところ
はみだした部分の処理が難しく、もう少し工夫が
必要なようです。
虫ピンの頭に接着剤を使用しなくてもよいような
方法との折衷案があればよりよいのですが…

またエキパイはキットのものは太すぎましたので
ラッパ部分までを削ったほか、最後尾のパイプも
3/2程度まで細くしました。
折れた部分の修正もうまくいきました。
Sugita wrote:
第3回目の製作報告   2002年5月9日
最後の工程
Sugita氏からいよいよ最後の組立て、
パイピングの工程に入ったと写真が
送られてきましたのでお目にかけ
ましょう。
SUGITA流仕上げ
連休明けにやっと時間がとれましたので
組み立てに入りました。
ボルトなどを使用して出来あがった部品
を組み立てていくこの瞬間が、自分には
一番楽しい時です。
組み立てのためのボルトなど、取りつけ
用部品のどれが何に使用するものだった
のかを忘れてしまっていたりするので、
案外時間がかかります。
また、ゼッケンプレートを付けるかどうか
をまだ決定できていません。

約束よりも時間がかかってしまっている
分だけ、いつもよりも綺麗な仕上を目指し
ています。
クランクケースカバー等がうまく磨けず、YAMAHAのロゴなどが消えてしまった
のが残念ですが、それ以外は結構自己
満足しています。

今回はペダル類にこだわってみました。
まだつけていませんが、キックペダル、
右サイドのブレーキは相当良い感じです。
また、写真では見えにくいですが、リア
サスなども外側を六角ボルトで、内側は
真鍮パイプで留めてあります。
バネを付ければすべて可動すると思い
ますが、可動させなくても可動するよう
な雰囲気を出せるとよいと思って実車の
作りでやってみました。

ハンドル周辺は、乗って握ってみたく
なるような雰囲気を出そうと思いました。
一番下の写真は結構気にいっています。

今回の自分のポイントだったのは、綺麗に
仕上る、全体のプロポーションを修正する、
可動部分に拘る、ということでした。
その点は自分で相当満足しています。
以前は、Sugita流というものを実感して
いませんでしたが今回、なんとなく自分
の作り方がわかり始めたように思います。
仕上りに期待です。
一作ごとにますます見事な仕上りを見せ
てくれるゴッドハンドSugita氏。
自分流の製作イメージを捉まえた清潔感
溢れる仕上り、可動部を再現する技には
驚嘆します。
私でしたら浅間レース出場後の泥まみれ
中古車にして誤魔化してしまうでしょう
が、彼の正統的モデリングは妥協のない
素晴いものです。
仕上りを期待しましょう。
2002年5月14日完成
ガレージ2に収納済です。