ヤマハ RD56 250cc レーサー キット:プロター1/9
最初の製作過程  2001年11月20日
ジャンクからの復活計画
作りかけ、途中放棄の(FUJI)プロターYAMAHAの
レストアを始めます。
デッサンもディティールもとても良いモデルです
ので、空冷フィンをアルミ板で自作する。
腐食したホイールの修正か交換の2点をメインに
取りかかります。
分解しました 
半組み立て状態のキットをバラします。
20年以上前に組み立てたものですから、
パラパラと簡単に外れます。
随分少ないパーツ点数で構成されていることが 
分かりますね。まあ2ストは実車もそうです。
もう一つ修正する個所を発見。
フロント・フォークのボトムケースが太すぎます。
これは作り換えないとダメでしょう。

エンジンに着手↓ 
空冷フィンは図面を引いてから 
アルミ板に貼り付け切り抜き穴空けします。
2気筒分ですから随分沢山あります。
上手く組み上げられたらグッと引き立つと 
期待しましょう! 
クランクケース前部にもフィンを追加します。
第2回目の製作過程  2001年11月28日
エンジンフィンの組み上げ
上のアルミ板を切り取ったフィンの
パーツを組み立てていきます。
"God Hnads" SUGITA氏ほど上手く
綺麗にはできませんが、それでも中々
の仕上りで満足です。
やはり空冷エンジンはフィンの彫りの
深さとシャープが決め手ですからね。

今までエンジンフィン・パーツの出来
の悪さで、作るのを諦めていたキット
が甦るようで、製作意欲が湧きますね。
それにしても面倒といえばとても面倒
ですが・・・。
第3回目の製作過程  2001年12月30日
ホイール(ブレーキ・ドラム)の製作
年末正月と、随分間が空いてしまいました。
このホイール作りは昨年暮れにやったのですが、
HPに載せる時間がなく今回になりました。
さて、レストアを目論んで、良く見たところ、
ホイールは最悪の状態です。
古いプロター特有の経年変化で、リムはタイヤに 
侵されボロボロ。縁はまだグニャグニャの 
柔らかさで、とても使い物になりません。
当時の稚拙なスポークの張り替えも、
ひどい状態ですし、ブレーキドラムも駄目、
と八方塞がり。
いっそ冷却フィン付ドラムも新しく作ろう、
というのが、下の2枚の写真です。
アルミの0.5mmを重ねてドラムにして、
それに0.7mm厚でスポーク穴のリムを作ります。
右がキットのドラムと、完成のものとの比較です。
簡単な割に結構上手く出来ていますよ。
リムの製作とスポーク組み上げ
リムは仕方なしに、ジャンクボックスから他のプロター
キットのものをコンバートします。
アルミHリムを使おうかとも思ったのですが、ヤマハは
36本スポークですから駄目です。
得意の?アルミ箔を貼り、磨き上げたものが上左写真。
一番奥はアルミHリムとの比較です。
右は完成したドラムとリムを治具で固定し、スポークと
ニップルを組み上げていくところです。
(このリムのアルミ箔貼りとスポーク張りは
「HOW TO ?」
頁で解説しています。ご参考まで)
こんな具合に完成しました。

しかし、リストアというのは新規キットを組み上げるより
ずっと手間がかかりますねェ。
簡単に出来ると思ったのに、少々疲れ気味です。
第4回目の製作過程  2002年1月9日
仮組みのバランス
さて、車体にかかります。
クランクケースに組み上げたエンジンを載せて、
全体のバランスを見ます。
バランス的にはいいようですが、
エクゾースト・パイプが決定的に細いです。
やはり、2ストの排気管は黒くて太いのが 
イメージですし、模型でのアクセントですから、
これは治しましょうね。
カウル留めのフロント・ステーも
気になるところです。
(サイドのステーは細い真鍮線に
変えたんですが・・・)
タコメーターのホールドも
実車ではもう少し複雑ですしね。
エンジンの仕上げ
それからエンジンを仕上げていきます。
多少のディティールアップを施し、塗装やパイピングを
していきます。
このRD56のクランク・ケースは大きなマイナスねじが
多用されていますが、面倒なのでアルミパイプをねじの
頭にして誤魔化してあります。
汚し塗装をしながら「ウーン、実感が出てきたな」と、
上の2枚の写真がオーナーの一番嬉しがっている場面
ですね。
しかしまだエクゾーストの膨張管作りが残っています。
取り敢えず、1.2mm厚のプラバンを巻いて、これから
パテ作業だァー。
第5回目の製作過程  2002年1月21日
ギアを作っちまった
プロターの穴空きゴムチェーンは
プラを溶かすらしいので、仕方なし
にスプロケットギアを自製。
0.7mmアルミ板にキットのギアを型
取りしてガシガシドリルで穴空け。
切り出してから磨きます。
軽め穴が多少不揃いですが、結構
それらしく見えるもんです。しかし
ゴムチェーンのピッチと合うかどうか
が大きな問題だね。
マフラーを仕上げた
サケの新巻状態にポリパテを盛り(臭くて嫌い)、それらしく
仕上げていきます。溶接部は薄いプラバンを巻きつける。
後ろはアルミパイプで細くね。両方できたらアルミ板で
ブラケットを作って、後は塗装と汚しです。
薄い鉄板が熱で焦げて、ムラのある半つや消し、なんてブツ
ブツ言いながら、塗ったり汚したり・・・。
ノズルのスプリングはアクセントですね。
フレームは修正なしだ
写真と比較しても、フレームに大きなミスはなさそうなので
塗装をやり直してこのまま使用します。
唯一スイングアームピボットを2mmパイプに代えたこと
ぐらいですね。もち論カウリング・ステーは全部やり直さ
なけりゃ駄目ですがね。
常識ですか? そりゃスミマセン。
今回はここまで 
ようやくアッセンブリーにかかれる 
状態に漕ぎ着けましたね。
とはいえフロントのテレスコは 
これから 新造しなきゃならないし。
カウリングをどうするかも 
問題が残っているし。
といいながら写真を見てみると 
右のショック・アブソーバーが 
歪んでいるじゃないの! 
アーアまたやり直しか、それこそ 
ショックだね。

ここまでリストア開始から丁度3ヶ月。
あともう少しと自分を励まし 
ながらの第5回報告でした。
ではまた
次回に。
第6回目の製作過程  2002年3月8日
あれこれ作ったり直したり・・・。
エンジンとホイールを直せばなんとかなるかと思って始めた、このレストアでしたが、あちこち、あれこれ気になるところばかり
出現して、もう毎晩なにをやっているのか分からないほど、いじくり回しまして、さすがに疲れました。
模型作りにとっては資料がありすぎるというのも、適当にという余地がありませんので、幸せなのかどうなのかよくわかりません。
途中で写真は適当に撮っていたのですが、まとめた報告をしているゆとりもない状況でしたよ(涙)。
まだカウルは次回、第7回目の報告ということにしまして、ボディー最後の工程をお見せします。
Fフォークの自作
キットのフォークはボトムケースの
太さ長さから全く使えませんので
アルミパイプを組みあわせて自作
します。
トレールがボトムセンターからオフ
セット
しているのがRD56の特徴です
ので、それも表現します。
フェンダーも長さを延長、ブラケット
を付け加えてそれらしく組み上げます。
エキパイ・後輪を組む
さていよいよ組み上げに入ります。
2サイクル独特の太い膨張管をもった
エキゾーストはなかなか良い感じに組
み上がりました。エンジンから吊下げ
るスプリングも効いています。
シンプルなエンジンですが、特徴的な
ロータリーディスクに横向きキャブや
背面の強制潤滑用オイルポンプがアク
セントで、結構メカっぽく見えます。

後輪のセッティングでは自作したスプ
ロケットと穴空きチェーンのピッチが
やはり合わず、瞬間接着剤で固定して
しまいました。
前輪も組み上げる
ブレーキパネルのエアスクープは
プロター独特の鉄仮面風のスリットが
開いていますので金網で作り直します。
ダブルのブレーキリンクロッドも
成型の限界で、余りにも太いので、
虫ピンで作り直してやります。
こんな地道な作業が作品の仕上りに
大きく影響するのだ、などと
自分を励ましつつ前輪を装着します。
オーッ、なかなか良い感じですよ。
嬉しいですね。
完成が見えてきましたよ。
さて残りの作業は?
おおきな残りはカウリングですが
これは最後にして、取り敢えずは
タンクとシートの完成が必要です。
タンクマークのデカールは20数年前
のキットですから、当然使えません。
糊も焼けて真っ茶色ですので、自作。
メーターもこの当時のプロターのもの
はやけにデカイ。ヴィンセントのような
メーターに子供の描いたようなデカール
ですから使えません。これも自作。
ヤマハ独自のカウルステーも付いて
いませんので、自作。
スタンドも当時のヤマハワークス純正の
ものが格好がいいですからこれも自作。

とあれもこれも作るものばかりですね。
嫌だ嫌だといいつつ、決して嫌いでは
ないからやってるんですね。
メーターとカウル・ステーの自作
そんな訳でメーターとホルダー
カウルステーを作りました。
キットの奴は形状も取り付け位置も全く違います。
真鍮パイプや洋白線を組み合わせてハンダ付け。
右は取り付けたところです。
メーターから出ている線はアクセントで
赤いビニール線を使ってみました。
完成!と思ったら?
タンクとスタンドを作りました。
特徴的なスプリング式タンクホルダー
もうまく作れてご機嫌です。
とッ散らかっていたワイヤリングを
済ませ、やっと完成だァと嬉しがって
ゴッドハンドに写真送りましたら、
彼から 「リアサスがハの字に開いて
いて変ですよ」 と指摘されてしまい
ました。
ここはキットのままにしていたんです
が言われてみれば、ウーン確かに
ハの字に開いていて変です。
折角ここまで作り込んだんですから、
やはり直そうと、再び資料写真を引っ
張り出し、後部をバラシて再チャレ
ンジ中です。

完成はもう少しお待ち下さい。
第7回目の製作過程  2002年3月18日
カウルの製作
さてカウリングを作りましょう。カウルは排気膨張管を作り直したため、そのままでは上手く収まりません。
それと左側に転倒の跡を再現することにしてみます。上左は大きくなった膨張管を収めるための下部の切り継ぎです。
上右は転倒跡の表現のためへこませ、上から部分的にアルミテープを貼ってサーフェーサーを吹いて磨いているところです。
下の2枚は塗装の過程です。ゼッケンを当てて、赤ラインの位置決めをしていますが、後で反省することになります。
塗装を仕上げる
レーサーのアルミカウルですから
いい加減に白を吹いて赤ラインを適当に入れました。
転倒後のへこみをサンドペーパーでこすると
さっき貼ったアルミ箔が覗いていい感じ。
アルミ地肌のままのアンダーカウルにアルミ箔を
貼って、盛大に汚して、大体完成ですね。

ウインドスクリーンを作る
キットのスクリーンは分厚くて実感がありません
ので、ヒートプレスでスクリーンを作ります。
ベースはキットのものを5mm程延長し、油粘土で
固めたもの。
バキュームのヒートプレスを持ってませんので、
木枠に0.5mmの塩ビを貼って
ガスで炙って押し付けます。あー熱かった。
でも仕上りは上々。
このぺこぺこな薄い感じはキットのプラをいくら
薄く削っても出てくれませんからね。

結局後で泣くはめに・・・。
こんな感じに出来上がって、上手く行ったと思って
いたんですが、実は大失敗でした。
車体に取り付けてみたら、後部がやけに下がって
しまって、赤ラインが水平になりません。
仮組みを何度もやりながら、ラインの入る状態を
確認しなかったミスです。
しかしこの状態から再度直すのはさすがの私も
ウンザリしますので、今回はこれで諦めます。

あーあ、完璧な作品を作るというのは本当に
難しいものです(泣)。