ハーレー・ダビッドソン XR750 ダート・トラッカー イメックス/プロター改 1/9
こんなの作りたい 
XR750は WR750 KR750 から続く 
ハーレーダビッドソン得意のダート・トラック市販レーサー。
あの重厚なというか鈍重なハーレーのイメージは 
微塵もない見るからにシンプルに研ぎ澄まされた美しいレーサーです。
ダートレースはアメリカ特有のダートのオーバルコースをひたすら 
左回りに廻るという単純きわまりない競技です。
そのため前輪ブレーキもなくギアチェンジペダルもブレーキも 
右側についているという変則的な単機能レーサーになっています。
その他の特徴としてはハーレーでは唯一2気筒とも後部吸気 
前部排気方式であり、その独立したキャブやエクゾースト・パイプは 
独自の力感を見せています。
XR750は1970年から83年まで長期間市販されたため 
多くのチーム個人で使用され、様々な個体を見ることができます。
 
キットはない!
こんな美しいレーサーなんですからキットがあってもよさそうなんですが、ありません。
しかたなくペースキットをIMEXのハーレースポーツスター883ハガーを選び、そこから
セミ・スクラッチすることにしました。
このアメリカのIMEX社はいわゆる玩具問屋さんでバイクモデルは1/9と1/12のハーレー
などを売っていました。中身は1/9がプロター製、1/12がイマイ製です。
日本ではこのスポーツスター・シリーズはプロター・ブランドで売られていた記憶があります。
中を開くと昔のプロターからは想像もできないほど精密「感」のあるパーツが出てきます。
しかしXR750のベースキットとして考えると、フレームの一部エンジンブロックの一部しか
使えるものはなく、相当大変なことになりそうです。

最初の製作過程  2003年11月4日
まずは観察
果たしてスポーツスターからXRが作れるかどうか、出来るだけ沢山の写真資料を揃えて、キットパーツと比較することから始めます。
XRのキモはなんといってもエンジン。45度狭角Vの一杯一杯に張り出したピッチの細かい空冷フィンと、後部に無理やり突き出した
大型キャブは迫力があります。
キットはプロターとしては頑張りましたがちょっと寂しいV2気筒です。まずここは自作のポイントでしょう。
クランクケースカバーも最新のエボリューション・エンジンと70年当時のスポーツスターのそれとは大きく違っています。
特にプライマリーチェーンカバーは市販車にはない鉄板プレス製で、大きな特徴です。ここも自作ですね。
フレームはどうだ?
フレームは基本形は一緒ですから使えるはずなんですが、いくつかは直さなくてはいけません。
XR750はセンターフレームに補強が入っていること。前後のダウンチューブがダブルになっていること。スポーツスターは後ろの
ダウンチューブはシングルです。ちょっとキャスター・アングルも違うようですが、この辺はまあ適当にしましょう。
使えるパーツを探す
前後19インチのホイールリムが必要ですが、これには
コスモズ・ファクトリーのメタル・リムがピッタリ。
タイヤはプロターからコンバージョンします。
厳密にいえば、ダート用タイヤではありませんが雰囲気で
いいでしょう。
原寸に引き伸ばした写真の上にフレームとタイヤを置くと
ウーン結構雰囲気出てますねえ。

リア・フレームも市販車とは全く違うので、この部分も
作り直しです。
こういう作業になると、真鍮パイプなどで簡単にフレームを
作れてしまう人が羨ましいです。
私は本当に金属加工がヘタでいけません。
メタルキャストを依頼する 
たまたま友人のフィギュア・プロZIPP齋藤さんが 
メタルを鋳造してくれるというチャンスがありました。
そこでプラスチックでは雰囲気のでない 
エンジン・ヘッドカバー、キャブレター、左右のクランク 
ケースカバーを大急ぎでプラで原型を作り、
ハイメタルでキャストしてもらったのが右の写真です。
殆ど一晩で作った原型ですから相当荒っぽいですが、
これを磨き上げたのが下の写真です。
素晴らしい金属光沢で、
手作り模型の格が上がること請け合いですなあ。
いやあ嬉しいな。
持つべきものは友人です。
ZIPP 有難う。
第2回目の製作過程  2003年12月1日
エンジン・エンジン
とにもかくにもこのXR750はエンジンが全てです。
1970年から71年までは同じXR750でもショベルのベースとなった鋳鉄エンジン。72年からは、特徴的なオールアルミ・エンジン
になりますので、ここは他のパーツを持ってきて誤魔化す訳にはいきません。
とにかく全てのパーツが他のハーレーとは全く異なる特徴を持っていますので、上手く再現できればそれらしくなること請け合い
ですし、エンジンが上手く出来なければ、他の部分がいかに上手く出来てもXRにはなりません。
そんな大切なエンジンですから頑張ってスクラッチしてみましょう。

図面からフィンを切り出す
まず図面を引くのですが、今回は採寸のベースと
なるものがありません。手に入る写真資料を様々
見比べながら、何度も修正を重ねて描いていきます。
フィンは0.3mm、シリンダー部分は0.5mmの
アルミ板に図面を貼り付け切り出していきます。
前後2気筒を並べるとこんな状態。
相当シンドイ作業です。
仮組
切り出したアルミ板を、1mmの洋白線を芯に組み
上げて様子を見ます。上手く収めるために細部は
まだかなり削り込みしないといけませんね。
0.3mmと0.5mmの積層ではほんの少し高さが足り
ない感じですが、フレームに上手く収めるためには
このくらいが丁度いいようです。
積層
大体修正が終わった時点で
フィン部分は接着します。
OHV用のプッシュ
ロッドの位置決めや
ヘッドカバーとの合体
エクゾーストパイプや
キャブの取り回しなどは
このフィンを基準に
しなければなりませんので
慎重に・・・ と言いたい
ところですが
いい加減な私の性格で
エイヤッと貼り付けます。
駄目ならまた剥がせば
いいもんね。
ヘッド・カバーの完成
シリンダーヘッド・カバーも
72年以降のXR750(と1000)
にしか見られない特徴です。
ZIPP齋藤氏が、素晴らしい
メタルキャストを作って
くれたんですが、原型が悪い
ため、後から入手した資料を
見るとかなり形が違います。
仕方なくデブコンパテを盛り
上げ、形を再度削りだします。
形状が整ったら穴空けして、
真鍮線を埋め込んだり、六角
ボルトを作ったり、特徴的な
目玉型ワッシャなどでそれ
らしく仕上げます。
エクゾースト・パイプの仮製作
排気管は2気筒とも前部排気で、左2本出しと、他のハーレーのシリーズには見られない特徴です。
複雑な曲線を描くつや消し黒のEXパイプから、リバース・コーン付きのメガフォンが2本並ぶ様子は迫力満点です。
このパイプも仮組中に作ってフィッティングさせておかないと、後で納まらないことが心配ですので、5ミリのアルミ棒を曲げて
仮製作しておきます。写真で見ると5mmでは少し太いようですが、曲げたときの傷を削っていくとよくなるんじゃあないかな、
なんて、ちょっと甘く考えています。

インテークの
フィッティング
折角排気管を作ったのです
から吸気側のフィッティング
もしてみましょう。
ここはよい資料写真がなく
インテーク・マニュフォールド
の長さや前後のキャブ位置が
正確に掴めません。
写真では長短2種のパイプを
作ってどんな感じか実験して
いるところです。


まだまだ、エンジン完成には
時間がかかりそうです。
第3回目の製作過程  2003年12月20日
エンジンを完成させるぞ 
前回に引き続きエンジンの作業が続いています。
真ん中はキットのパーツを加工したクランクケースと 
一体型ギアボックスです。
あちこちの擦り合わせやパテ加工でひどい姿になっています。
下はギアカバーです。
このパーツは折角ZIPP氏にメタルキャストしてもらったんですが 
形状違いや後加工のため、諦めてプラ材で作り直しています。
中央右は殆どのレーサーが採用しているWICO製のマグネトー。
これもジャンクパーツとプラ板で形状だけ適当に作ってあります。
その下はそのカバーでアルミ棒から旋盤で挽きだしました。
それにしても仕事が荒っぽくて汚いね。
ヘッドカバー
ヘッドカバーにボルトを埋め込みます。
このヘックスナット(6角ボルト)も
ZIPP氏にキャストしてもらった
特製のパーツです。
前後のヘッドカバーはオイルラインで
連結されていますので、洋白線をハンダ
付けしたT字型パーツを作り連結。
塗装・接着
クランクケース
を銀色で塗装し
ボルト類を
埋め込みます。
砂型鋳造ですから
少し地肌を荒く
仕上げてと
思ったんですが
随分粗っぽく
なってしまい
ました。
そしてシリンダー
と接着です。
ギアカバー切り取り
後のチェーン着装を考えて
ギアカバーを取り外しが
出来るように切り取って
おきます。
エンジン組み上げ 
さてエンジン関係は 
部品もそろったので 
組み立ててみましょう。
ヘッドカバーを載せた 
状態が右と下の写真です。
いかにも機械という 
メカっぽさは好きですね。
作品展出品は無理そうだ 
このXRも、来年の西南堂さんで開くキムズハウス作品展に出品を予定していたんですが、この調子ではとても無理そうです。
エンジン作りだけでこんなに時間がかかってしまい、あとフレームからホイールスポーク組み、タンク、シート作り、チェーン組み
など、まだまだ沢山の部品作りが必要ですからねえ。
ましてや年末年始は行事も沢山あるし、とてもゆっくり模型作りをしている暇はなさそうです。
そんな訳で2003年の報告はここまでとなります。                 Kim's House Garage Owner
第4回目の製作過程  2004年1月5日
フレームを自作しました 
年末年始のお休みを利用してフレーム製作をしました。
右の写真が元キット「スポーツスター883」のフレームです。
寸法的にはXRのエンジンも載りますので面倒臭がりの私は 
このフレームを修正してなんとか誤魔化してやろうと思っていました。
ところがキャスター角度から始まって修正個所が多過ぎ 
結局継ぎはぎだらけになりそうです。
仕方なく、不得意の金属でフレームを自作することにしました。
そんなに複雑なフレームではありませんし、市販車と違って 
補機類を取り付けるラグやステイなども少ないですから 
なんとか出来るだろうと思った訳です。
XRはC&J社など有名なフレームビルダーが多く 
様々なフレームを供給していましたので 
自作はそんな気分も味
わえるでしょう。
悪戦苦闘のハンダ付け
左上写真が手近にあった銅パイプや丸棒を持ちだして
寸法通りに仕上げたところ。
ステアリングヘッドはキャスター角を合わせてハンダ付け
してあります。
しかしこの銅パイプが曲者でした。熱伝導が良すぎるせいか
相当高温にしないとハンダが流れてくれません。
高温にし過ぎると他のハンダ付け箇所が溶けてしまうという
難工事の連続。
他の箇所の熱を逃がすようピンセットで挟んだり水を含ませた
ティッシュで包んだりと悪戦苦闘。
元々金属加工やハンダ付けの技術が低い私が悪いんです。
もっと慣れないといけませんね。
右上写真は垂線を出すために利用した小さなブックレット。
左がフレーム前部の完成です。
プラでも金属でも、私の仕事はかなり荒っぽくて汚いね。(笑)
どうやら完成
前部フレームは出来たんですが
あまりにも銅パイプが具合悪いので
真鍮パイプを新たに購入。
技術の低さを材料で補おうという私の
製作基本姿勢でしょうかね。(笑)
調子に乗って後部サブ・フレームと
スイング・アームを作ってしまいました。
真鍮の方が少しハンダ付けがしやすいのか、
あるいは少し手慣れて来たせいか
後部はさほど苦労せずに完成しました。

悪戦苦闘した年末年始休みでしたが
こうして元キットと比較するとやはり
スッキリしたレーサーらしいフレームに
なったと思います。
ああ、よかった。

第5回目の製作過程  2004年2月12日
まずはお詫び
作品展の開催中に何とか完成させて展示をする予定でおりましたが、残念ながら本日04年2月11日現在で、まだこんな状態。
あと数日で完成というのはとても無理になりました。
ご期待して下さった数名?数十名?の皆さまには誠に申し訳なく、伏してお詫び申し上げます。
今回の製作過程 
それではこの仮組までの製作プロセスを追って 
解説していきましょう。
タンク・シートを作る 
何といってもXR750のオレンジ色の平べったい 
タンクと流れるようなシートは魅力的です。
実物はアルミかFRPのようですが、ここはプラ板で 
それらしく作ってやりましょう。
寸法を割り出し簡単な骨組みを作ります。
それに3次曲面を削りだせるよう1mmのプラバンを 
分割して切り、曲げて接着。
デカールとぴったり合うよう削りだします。

私は柴田大先輩のようにプラ板で積層ブロックを 
作って削り出すという方法はやったことがありません。
なんか難しそう。

フォーク・ブラケットを削りだす。
XR特有のシンプルで滑らかなブラケットも
キットのものは使えませんのでデブコンで
自作します。
デブコン・パテを適当な形に固め、4mmの
穴を開け、後はシコシコひたすら削ります。
彫刻家か俺は?という気分になったあたり
でやっとこんなもの。
疲れます。
チェリアーニ・フォークを組み上げる。
画面左はキットのフォークボトムケース。
中にバネが入るようになっているので太り過ぎですね。
中央はコスモズ・ファクトリー製品。やはりチェリアーニはこんな細さでしょう。
こういうディティールUPパーツは本当に有り難いですね。
1,000円で作れったってとても出来ない。
右はそれを磨き上げたもの。
そしていよいよブラケット、
4mmアルミパイプ、ボトムケースを
組み上げます。
なかなかいい感じじゃあないですか、
と相変わらずの自己満足。

メタルパーツのアルミ表現。
メタルパーツは磨き上げると美しく光り 
輝いてくれますが、ツヤ消しアルミ地肌 
の場合は光りすぎて困ります。
いろいろ試した結果、
ラッカー系「ツヤ 
消しクリア」を塗ってしまう方法が一番 
それらしく見えることが分かりました。
このボトムケースは殆ど原液状態を 
薄めず筆で厚塗りしました。
大面積なら薄めてエアブラシでしょうね。
スポークを組む。
リムは今回もコスモズ・ファクトリー製品。
19吋の40穴です。
AMCダート・トラッカーは規則で19吋に
決まっているんだそうです。
スポークの組み方はいつも通り。
志賀昆虫4番に真鍮パイプのニップルです。
今回はハブが細くスポークが長いので、
ニップルを少しオーバーに長く出して、
力感を出そうとしています。
自転車みたいに見えるのは嫌ですから・・・・・。
自己流表現ですね。
組み方もいつも通りですので省略。
挽き物を挽く。
リムは今回も車軸やリアショック、タンクキャップなど細かい部品を旋盤を使って挽き出します。
大したものは出来ない割に大げさな作業で可笑しいですね。
でも丸いものを手で削りだすとか、電動ドリルに咥えてやっていたことを思えば、実に便利ではあります。
O.8mmの洋白線をコイルに巻いて、リアショックの完成です。しかしどうしてプロターのコイルはあんなに細いんでしょうねえ。
仮組する。
さあ大きな部品が殆ど揃いましたので 
仮組してみましょう。

それなりにいい感じに見えますが 
どこか変ですね・・・・・ 

ウッ、やばい。
大変なミスを発見しました。
これはちょっと振り出しに戻る感じです。

さあどこが大ミスなのか君も考えてみよう。
右側面正横図で発見できます。
第6回目の製作過程  2004年4月13日
またもやお詫び
作品展が終って気が抜けたせいもあり、春の仕事の忙しさにもかまけ、腰痛の回復でゴルフの回数が増えたせいもあり、冠婚葬祭も多く
と弁解ばかり並べ立てておりますが、そんな訳でこのXRは途中で全く手が止まってしまい、ご報告がこんなに遅くなってしまいました。
ということもあるんですが、その実細かい部品作りばかりで、いい加減厭になったということが最も大きな理由ですね。
フル・スクラッチをいとも簡単にこなす柴田大先輩を本当に尊敬してしまいます。
ともあれ、期待して待ってくださった数名から数十名の皆様には誠に申し訳なく、お詫び申し上げます。

正解
作品上の仮組上で発見した「大ミス」とはチェーンが
当たってしまうことでした。
実車でも、結構ぎりぎりのところを通っているのですが
私のはスイングアーム・ピボットが数ミリ高過ぎることと
リアダンパーが数ミリ長すぎることが原因。
今回はコスモズの可動チェーンを使おうと思っています
ので誤魔化しがききません。
スイングアームを数ミリ下げるだけの半田付け作業なん
ですが、それがまた他の半田付け箇所を溶かしてしまう
とか、やりつけない私には大変な作業。
ああ面倒くさい、と嘆きつつなんとか修正します。
その細かい部品作り
もういちいち写真撮るのがとても不可能なぐらい細かい部品作りに追われました。
オイルタンクはプラ板で作ったベースに2mmのアルミ板を貼り付ける。注入口は4mmアルミパイプにプラ丸棒からキャップを
作ります。実車ではバネ留めですので、左右のスプリングを0.3mm洋白線で自作。
ドリブンスプロケットはコスモズの汎用ギアに穴開け。リアディスクは0.8mmアルミ板から切りだし穴開けして旋盤でそれらしく
回転跡を付けます。色は今回はアルミ黒染液で染めてみました。
ディスクブレーキ本体はキットのものをベースに整形して使いました。ストッピングロッドも追加。
特にややこしかったのはリアブレーキ・ペダルとオイルポンプ。これはドライブ・ギアカバーにプレートが付き、それにステップと
ともに搭載されていますので非常に複雑な組合せ。適当に誤魔化しながら全て金属加工です。
反対側のステップも作ります。ステップが全くの左右非対称なんですねえ。オーバルのトラックレーサーですから日本のオート
レース用バイクとも多少の共通点がありますね。
コスモズのチェーンを始めて組みました。
この組み上げには福岡の柴田先輩から特別
に教えていただいた秘訣があるのですが、
ノウハウですから私がお教えするわけには
いきません。知りたい方は柴田氏までメール
でお尋ね下さい。丁寧にお願いして下さいよ。
左の汚い写真は私の汚し手法の一つ。
この汚い絵皿はエナメルの黒に銀や茶を混
ぜてシャブシャブにした汚し原液(笑)です。
これにチェーンを漬け込み、汚れを隅々まで
行きわたらせます。
スタンドも銅パイプで作ってしまいました。
エンジンを載せる 
エンジンはハウジング前部左右のプレートと 
前後のシリンダーヘッドからブラケットで 
フレームに固定されています。
自作のフレームとエンジンですから 
どこにも基準となるマーキングがなく 
固定する位置関係が実に難しい。
チェーンとの関係もありますしねえ。
考えていてもどうにもなりませんので 
0.7, 0.8mmアルミ板から4枚のプレートを 
切り出して成形し、現物合わせで穴開け、固定します。
多少歪んだ感じはありますが 
まあよしとしましょう。
チェーンを嵌める 
さて問題のチェーンですが再三の修正でどうやら上手く
嵌まりました。
最初に想定していた齣数より最終的には4齣減らして
ちょっときつめですがなんとか収まりました。
多分経年変化で少しは伸びて良い感じになってくれる
でしょう。
走らせて楽しむ玩具ではありませんので固定でもいい
んですが、後輪とチェーンが一体で廻ってくれるのは
やはり気持ちのいいものです。
コスモズ・ファクトリーさん有難う、ですね。
タンク&シートの塗装 
タンクとシートを派手なオレンジで塗装します。
塗装は今回はタミヤのオレンジ原色の缶スプレー。
他の塗料より色が近い感じでした。
数回塗ってコンパウンドで磨きだして終わり。実に簡単です。
この当時のレーサーの塗装は市販車とは違い殆どが 
数回色を吹くだけの簡単なもの。ぶつけたらすぐ剥げそうです。
クリアやウレタンなどで大ツヤを出すとそんな雰囲気が壊れます。
シート貼り 
シートは座面のナイロン織物と周囲の革の2種類で出来ています。
座面は壁紙のサンプル帳!からそんな雰囲気のものを選び 
半艶消しで塗って切り取り貼り付けます。
周囲の革は 
今回は古手帳 
('84年大日本印刷製(笑))
の表紙を水に浸け 
裏打ちの紙を剥がして 
乾かします。
それを座面と周りの寸法に 
合わせて切り取り 
Gクリア(ボンド)で 
貼っていきます。
これから周囲に留めの 
リベットに見せる虫ピンを 
打って完成予定。
メガフォンの仕上げ 
作ってあったエクゾーストパイプに合わせて後部のメガフォンを作ります。材料は0.2mm厚のアルミ板で、作り方は既に何度か
紹介した手巻き寿司方式です。
これを前部のパイプと繋げ後部に緩やかなリバース・コーンを作って一体化させます。
アルミ黒染
メガフォン・マフラーの薄い鉄板の質感を出したいため
塗装でなくアルミ黒染で染めてみましたが、パテとして
使用したデブコンが上手く染まってくれません。
こんなマダラ模様になってしまいました。
やはり塗装しないと駄目なようです。
最後(になるといいなという希望的観測)の仮組
まあ様々いろんな部品を作ってきましたのでここで最後の?仮組をして見ましょう。おお、なかなかいいじゃないですか。(笑)
大体イメージには近いものが出来てきたと思えますね。
残された大物はハンドルバーとKNのエアフィルターです。
フィルターはどうやってあの表面の凸凹を上手く表現するか、均一に紙を畳めるか、未だに見当がつきません。
エンジンやチェーン
カバーの巨大さ、
そしてマフラーの
ワイルドな感じが
見せ場ですね。
右側面はエンジンの
プッシュロッドや
チェーンに至る駆動系
の力感でしょうか。
KNフィルターがうまく
作れればこれも見せ場
になることは確実なん
ですが。
キャブが少し寝ているよう
に見えるのは気に入らない
ですが、もう今となっては
直しようもありません。
フィルターで上手く
誤魔化せることを願い
ましょう。

この角度から覗くメガフォン
マフラーもなかなか良い
雰囲気です。
次回は完成報告に
なることを願って!!
第7回目の製作過程  2004年5月5日
苦節6ヶ月。やっと完成です。
いやあ本当にスクラッチは大変でした。でもまあまあそれらしく出来上がりましたから喜びもひとしおです。
おしまいの方は何をやっているのか判らないほどで、写真も撮り忘れているものが多くありますが、撮った写真だけでも載せて
最後の報告とします。
KNフィルターを作る
XRを作ると決めたときからこのでかいフィルターをどうやって作るか
は悩みの種でした。何か手軽に利用できるものはないかとずーーーっと
考えていましたがついに見つかりません。とうとう最後は正攻法の、紙を
折り畳み、前後のフタをかぶせる方法で作ることにしました。
紙は様々実験した結果、色上質紙の薄手を2mmの山谷
に折るのがそれっぽい
ということが分かり、芯になるパイプを楕円にしたものや、フタのプラ板と
かぶせの縁をアルミの0.1mmで作ったものを用意します。(左上)
紙の折畳みはなかなか均一にできません。相当沢山作った中でよさそうな
部分だけを芯のパイプに貼り付けます。
フタにもかぶせのフチを貼り付けてようやく準備完了。(上)
塗装前の仮組み。気に入ってはいませんがこんなもんでしょう。(左)
出来上がりは完成写真でご覧ください。
ゼッケン・プレートを作る
ゼッケン・プレートはその色や番号の書体なども含めて 
ネイキッドタイプのレーサーには 
よいアクセントとなる大切なポイントです。
切りっぱなしのプレートもありますが 
軽い薄板に強度を持たせるため縁をプレスしたものも 
多く見かけられます。
1/9ぐらいになるとこのあたりをきっちり表現して 
やりたいものです。
今回は金属加工を多くやっていたのでこれも 
半田付けで作ってみました。
用意するのは洋白板の0.1mmと洋白線0.5mm。
洋白線を所定のサイズとカーブに曲げてから 
洋白板に載せてハンダを流す。
そして切り出すだけの簡単な作業です。
今回のXRは排気管のカーブに合わせて曲げる必要がありましたが 
完全に融合しているためなんの心配もなく曲げられます。
これがプラ板と伸ばしランナーだったり 
アルミ板と金属線を瞬間接着剤でくっつけていたら結構大変です。
前回CB72のバックミラーをこの方法で作りましたが 
ゼッケンプレートも簡単ですのでお勧めです。
デカールの自作
改造やクラッチにデカールの自作は欠かせません。
というより古いキットのデカールはそのいい加減さ
や糊の経年変化もあって殆ど使えないといっても
いいでしょう。
私自慢じゃないですが再復帰以後キットのデカール
を使ったことは一度もありません。
下絵読み取りはフォトショップ6.0。原稿作成は
イラストレータ9.0。勿論MACですがまだOSは9.1。

出力はおなじみアルプスのMD5500と定番です。
デカール用紙は最近はWAVEの透明が入手しやすく
安いため気に入っています。
今回はタンクのイメージを掴むため、相当早くから
作りましたが、完成すると色の感じやサイズの微妙な
違いなどで2回も作り直しをしてしまいました。

2004年5月4日に完成しました。
GARAGE1に収納済。