素晴らしいバイク模型のキットは沢山ありますが、エンジンフィンを1枚1枚重ねて作るキット以外では、エンジンのフィンが
厚すぎたり、フィンの深さが浅かったりと不満を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか? 
そこで、丈夫で加工しやすいアルミ板を使用してのエンジンフィンの製作というものを紹介していみたいと思います。
(と言いましても、単純にアルミ板を一枚一枚重ねて、削ればよいだけなのですが。)

材料と事前準備
材料は適当な厚みのアルミ板と真鍮パイプ、道具は、ゼリー状瞬間接着剤・金物バサミ・鉄、紙ヤスリを用意します。
まず、実車の写真やエンジン構造図を見て、簡単にスケッチをして寸法を書きこみます。(もちろんキットも参考にします)
フィンの枚数も一応、参考に数えますが、寸法からアルミ板の厚さなどを考えて、適当にバランスをとって自作する枚数を
決めるとよいと思います。
アリエルの場合は、シリンダーヘッドのフィン用に0.2mm、隙間用に0.3mmのアルミ板を使用しました。
両方で0.5mmですので計算が楽です。約6mmの幅に対して、フィンが11枚、隙間が10枚です。
シリンダー部分ではフィンは0.2mm、隙間は0.4mmを使用しています。

部品の切り出し
写真Aのように、各部品を切り出します。一つ一つ切る前に、
並べておいて穴をあけます。
この穴は、フィンを重ねる際、真鍮棒などに通してずれない
ようにするためのものです。1つの穴でもよいと思いますが、
2本あけて、形を整える時にずれてしまわないようにしました。
一つ一つを切り出す前に適当に穴をあけますが、神経質に正確
な位置に2つの穴を作りません。適度にずれているほうが、
接着せずともがっちりはまってくれます。
また、ボルトや点火プラグのための切れこみもこの段階では
綺麗に寸法どうりに切りこむ必要はありません。
全体の形が修正されるまでに必ずずれてしまいますので最後
に揃えればいい、くらいの気持ちで適当に削ります。


組み立て
部品が切り出されましたら、まずは、隙間の部品だけを2本の
真鍮棒にすべて通します。
写真Bは、隙間だけではなくフィンまで通した状態ですが、
その前に隙間部品の形を整えねばなりません。
隙間部品だけを通しましたら、その状態で鉄やすりで、すべて
の部品の形が整うように削ります。

隙間部品の形が整いましたら一旦すべてをはずし、写真Bの
ようにフィンと隙間部分を交互に真鍮棒に通します。
写真Bの右上にある長方形の部品は使用しないものです。
削った隙間部品(左上)との比較のために写っています。

組み上がりと調整
写真Cはすべての部品を通し終えた後に、
シリンダーヘッドの後部を整えたところ。
フィンの間はまだ修正していません。
削る
写真Dは全体の形を整え、フィンも紙ヤスリで削りはじめた
状態です。
フィンの幅を整える時は、カッターなどでメクレを切り取り
ながら様子をみないと削り過ぎてしまいます。
また、アリエルの場合はフィンの先が曲がっていますので、
カッターなど細いものを間にいれて曲げました。
ボルトの穴はピンバイスであけます。
点火プラグ部分はカッターで切ります。
2本の真鍮棒を通していますから、この大きさでは接着剤は
なくても大丈夫ですが、念のためにゼリー状瞬間接着剤を
すべての間に塗っています。

ほぼ完成
写真Eは、組み上げた部品をキットのものと比較した写真。
写真FGは最終完成の姿です。
以上の全過程で、一つのシリンダーヘッド製作に用した時間
は3時間くらいです。
最初の段階で、写真をあまり撮らなかったので説明がわかり
にくいかもしれませんが、ぜひ一度挑戦してみてください。

K.Sugita wrote: